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デジタルとフィジカルをつなぐ
​次世代3Dデータフォーマット

30年近く、3Dプリンティングの分野では、3角メッシュを貼り合わせて立体の表面のみを記述する「STL」形式が、デファクト・スタンダードとして利用されてきました。

しかしこの形式では、複数の異なる材料や色を、内部から表面に渡って自在に配置し、構造を出力できるようになった、近年の「進化した」3Dプリンティングの特性を全く活かすことができません。

さらに、VRやAR、ゲーム、AI(ディープラーニング)といった近年のデジタル・モデリング環境との統合が難しく、「3Dプリンティングが最も役立つ」と言われる、医療分野のMRI/CTデータとの連結にも大きな障害となっています。

これらの問題は、国際標準化機関 ISOとASTMが、次世代の3Dプリンティング用言語として提案しているAMF (Additive Manufacturing Format)フォーマットでも解決できていません。その最大の理由は、いまだに、STLから続く、3角メッシュを貼り合わせて立体の表面のみを記述する形式からの脱却が図られていないからです。

 

そこでわれわれは、「ボクセル」を要素単位として立体を記述する「FAV」フォーマットを提案します。FAVフォーマットは以下の設計思想のもと、慶應義塾大学と富士ゼロックス株式会社により、仕様が策定されました。

 

 

 


 

1. Full-Spec
3Dモデルデータの外部、内部を問わず、形状、材料、色、隣接ボクセルとの接合強度、等といった3Dプリンティングに必要な最大の高解像度情報が、立体的な位置ごとに精密に定義できる。


2. Flexible
直感的な彫塑的(スカルプト)モデリングや肉盛り、形状の和差積を扱うブーリアン演算などがロバストでどのような場合にも安定的に適用でき、柔軟な加工や修正が自由にできる。


3. Seamless
3Dモデルデータのデザイン(CAD)、解析(CAE)、検査(CAT)を、データ変換することなく統一的、かつ双方向的に行うことができる。具体的には、ボクセルが有限要素であることを活かして、デザインしたフォーマットのままシミュレーション(CAE)を行うことができる。また、シミュレーション結果からボクセル単位での設計変更を行うことができ、最適化アルゴリズムなどが適用しやすい。


 

4. Intelligent
VR/AR/MR、ゲーム、画像認識、ジェスチャーなどと親和性が高いほか、ボクセルが2次元画像の集積とみなせる性質を応用として、AI(ディープラーニング)の技術を3次元に応用しやすく、機械学習の力を3Dに援用することができる。

5. Real Data
すでに存在し、これからも活用が増えると見込まれている、医療用あるいは産業用のMRI/CTデータ (dicom)との相互変換が容易で、物質世界のスキャンから新しい部品のプリントまでを一元的に管理でき、パーソナルなものづくりに役立つ。

6. Extensible  
XML形式であり、AMFとの併用および他のXML形式との連携が容易であり、ウェブ上での3Dデータの流通と連結を加速させる。




 

FIGURES

ボクセルを立体的に配置した3Dプリントの模式図

内部構造、色情報、材料情報を組み合わせた物体の例

ボクセルデータによるシミュレーション結果をもとにした異種材料配置最適化の例

Fuji Xerox社による説明ページへ
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Full-Spec

3Dモデルデータの外部、内部を問わず、形状、材料、色、隣接ボクセルとの接合強度、等といった3Dプリンティングに必要な最大情報が、立体的な位置ごとに精密に定義できる。

Flexible

直感的な彫塑的(スカルプト)モデリングや肉盛り、形状の和差積を扱うブーリアン演算などがロバストでどのような場合にも安定的に適用でき、柔軟な加工や修正ができる。

Intelligent

VRやAR、ゲームなどと親和性が高いほか、ボクセルが2次元画像の集積とみなせる性質を応用として、AI(ディープラーニング)の技術を3次元に応用しやすく、機械学習の力を3Dに援用することができる。

Real Data

すでに存在し、これからも活用が増えると見込まれている、医療用あるいは産業用のMRI/CTデータ (dicom)との相互変換が容易で、物質世界のスキャンから新しい部品のプリントまでを一元的に管理でき、パーソナルなものづくりに役立つ。

Seamless

3Dモデルデータのデザイン(CAD)、解析(CAE)、検査(CAT)を、データ変換することなく統一的、かつ双方向的に行うことができる。

Extensible

XML形式であり、AMFとの併用および他のXML形式との連携が容易であり、ウェブ上での3Dデータの流通と連結を加速させる。

EXAMPLES

FAVファイルフォーマットを用いて実装された、ウェブサービスやソフトウェアの実例を紹介します。

インターネット上のSTLデータをデータベースに保管し、キーワードで検索できるようにした

サービスです。すべてFAV形式のボクセルデータとしても保管でき、60万以上の「かたち」の

​ビッグデータを所持しています。

AI (ディープラーニング)の手法を用い、簡単なスケッチから、ユーザーが描こうとしている

立体を推定し、3Dモデルとして出力してくれるサービスです。かたちの発想支援、モデリング支援

​等に有用です。

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